代表就任挨拶 江村理紗
この度は過日実施されました市長選挙の対応をめぐり、多くの皆様をお騒がせし、またご期待に沿うことができなかったことを心よりお詫び申し上げます。今回の市長選挙において、第三極としての挑戦ができなかったことは、本当に悔しい限りです。皆様には多大なるご心配をお掛けしてしまいましたことを重ねてお詫び申し上げます。今まで以上に市民目線に立った活動に邁進してまいります。
この間、党内では市長選挙対応に伴う一連の件と村山議員の代表辞任を受けまして、改めて党の課題を洗い出し、今後の活動方針や組織体制の立て直しに向けて様々な議論を重ねてまいりました。その中で、私、江村理紗を地域政党京都党の次期代表に推薦するお声を多数頂戴致しました。大変な重責ではございますが、保守的観点から“市民による市民のための政治”を実行し、改革や提案に対して、常に「是々非々」で向き合っていくという、私たちの政治スタンスを今後も貫くべく、代表への立候補を決意致しました。そして、2月8日に告示されました代表選挙におきまして、党内現職議員全員からの推薦のもと、僭越ながら次期代表を務めさせていただくこととなりました。依然として若い議員ばかりの政党ではございますが、これからも市民のため、一丸となって職務に邁進していく所存です。
私たちは、民間感覚の目線をもって、地方行政と議会に3つの“発想の転換”を持ち込みます。時代に沿って行政も前進を続けておりますが、さらにスピード感が必要です。
第一に、地方議会における未来的戦略経営への意識改革です。例えば、予算配分を事実上、行政職員の要求がそのまま実現してしまう「積み上げ式」ではなく、トータルコストを意識した「分配式」に改め、それによって政策の優先順位化や一層のムダの削減を図ることなどです。現状の京都市財政は非常に深刻な状況です。行政と言えども、全体としての採算性の意識は必須であり、経営感覚をもった市政運営へと転換しなければなりません。民間企業に置き換えれば、社長が市長、取締役が議員という役回りで、長期的ビジョンで市政を進めていく必要があります。
第二に、京都のミカタ(見方)を変えてみることです。つまり、他都市との比較を重視した客観的な都市分析です。例えば、京都の人間でも通勤や通学以外には積極的に利用する気になれない複雑なバス路線など、京都市の交通利便性は福岡市や神戸市、川崎市などの人口同規模の自治体より見劣りしており、交通面では大都市の水準に達しているとは言えません。私たちには京都で生まれ育っているがゆえに見えていないものがあります。それらを無視することなく、外からの視点を公共サービスに加えればより高い生活利便性を実現することができます。改革には様々な視点が必要です。京都人はこのような視点を避けがちなのかもしれません。しかし、京都をより一層前進させるためには非常に重要な視点であると私たちは考えます。
第三に、主役は“一市民”という、しがらみのない政治の実現です。私たちの意味する市民とは、営利団体でもなく、労働組合でもありません。すべての政策判断は、子どもを含めたすべての市民にとって有意義か否かでなされるべきものです。そのため、議会でのスタンスは常に「是々非々」とします。「住みたいまち・京都」の実現には、「憧れのまち・京都」というブランド力に加え、実際の住み心地として他都市に対する優位性があることが大切です。そのため、住民満足度(=顧客満足度)に力点を置きます。
これらの“発想の転換”の風を起こすために、私たちは5年前の結党当初に実施致しました議員定数削減における直接請求や、昨年の四条通歩道拡幅アンケートなどといった、市民の皆様のお声に直接向き合うことのできる「草の根型」の政治手法を今まで以上に重視してまいります。市民に近しい立場で政治を進めていく体制をこれまで以上に確立し、地方政治が動いていく臨場感を皆様に味わっていただくことも私たちの重要な役割です。
平成28年2月8日
京都党代表 江村理紗