■企業誘致戦略 京都を働きたいまちへ
・質問のポイント
京都市からの学生流出を防ぐため、即効性のある企業誘致の推進について市長の見解を問いました。具体的にはオフィス不足解消に向け、①京都駅周辺での特別用途地区活用等によるオフィス創出、②沓掛・大原野での規制緩和による産業用地化、③巨椋池エリアでの海外IT企業等の誘致という3エリアの活用を提言。さらに成果報酬型民間委託の導入などあらゆる手法を用い、国内外からの企業誘致と若者流出対策を推進すべきと訴えました。
下京区選出の神谷修平です。維新・京都・国民市会議員を代表し、質疑いたします。
私からは、まず、企業誘致に関してお聞きいたします。京都は学生のまちでありますが、その学生の8割以上が就職時に京都市以外のまちへ流出している状況です。主な原因は、学生の人口に対し就職先の規模が足りていないこと、そして、選択肢となる就職先が少ないことが挙げられます。本市にとって早急に解決すべき課題であることは御承知のとおりでございます。この課題の解決には、若者が働きたいと思う場を創出していくしかありません。
働く場の作り方には大きく二つあります。一つは、一から会社を作る支援を行うスタートアップ支援という考え方。もう一つは企業誘致という考え方です。スタートアップ支援は本市の今後の発展に大変重要であるということはもちろん認識をしておりますが、スタートアップの成長には時間が掛かるという側面もあります。京都は今正に流出が止まらないという状況なので、一刻も早く手を打たなければなりません。スタートアップ支援は中長期的な視点でしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、今の本市の状況を鑑みた場合、求められる手段として企業誘致をより一層推進すべきと考えます。まずは、この点について市長の御見解をお聞きしたいと思います。
続いて、京都で企業誘致を推進する際に課題となるオフィス創出についてです。本市のオフィスの空室率は長年低調であり、オフィス面積は100万人を超える都市の中でほぼ最下位に近い状況が続いています。企業が移転したいと思っても移転する場所がないのです。いかにしてオフィス面積を増やしていくかが企業誘致の成功の鍵となるのは明白です。そこで、今後のオフィス創出において、主に三つのエリアにおける提言をいたします。
まず一つ目は、京都駅周辺のエリアです。東京のオフィスから京都のオフィスまで2時間半以内に行けるエリアは京都にここしかありません。主要都市のターミナル駅の前がオフィスになっていない所は京都市ぐらいであり、東京、名古屋、大阪、博多、全て駅前はオフィスが集積しております。そのため、このエリアではオフィス創出を推進するため、神戸市や横浜市でも実施されている建築物の用途と容積率を制限する特別用途地区の活用も検討していくべきと考えます。京都経済の活性化に大きな可能性を秘めたこのエリアは、オフィス創出を最優先に位置付け、計画を進めていただきたいと思います。
二つ目は、沓掛、大原野のエリアです。ここには京都縦貫道が走っています。しかし、縦貫道ができて発展したのは亀岡市です。その理由は、その周辺エリアの規制緩和を行ったことにあります。結果、京都市内の多くの企業が亀岡市に流出しました。流出を防ぐためにも、沓掛、大原野エリアは規制緩和を行い、工場や物流センターのような市内中心部では賄えなくなってきた需要を受け止めていく必要がございます。産業用地として発展し、雇用が生まれれば、洛西ニュータウンの活性化にもつながると考えます。
三つ目は、向島駅の西側にある巨椋池のエリアです。ここには京都では希少とされる広大な土地がまだ残っており、昨年規制緩和され産業用地に変わりました。このエリアはキャンパス型の広いオフィスを創出できる可能性を秘めており、海外のIT企業なども誘致候補として考えられます。京都のブランド力をいかせば、海外企業を誘致できる可能性は高いと考えます。有名な話でLINEという会社が京都に拠点を作り、技術者を募集した際1,000人の応募がありましたが、そのうち800人が海外の方でした。観光だけではなく京都ブランドを企業誘致にも活用していくべきです。
また、海外企業の誘致の促進には、成果報酬型民間委託の導入も検討をしていくべきと考えます。東京都では、海外企業とのネットワークがある金融機関と連携し、その実績に応じて成功報酬を支払う方式で効果的な海外企業の誘致に実績を上げておられます。あらゆる手法を用い、企業誘致に注力していくべきであります。エリアの特性をいかした産業用地を創出し、積極的な国内外の企業誘致を行い、若者の流出対策、京都経済の活性化を力強く推進すべきと考えますが、先ほどの提言も踏まえ、市長の御見解をお聞かせください。
■eスポーツとまちづくり
・質問のポイント
eスポーツを活用したまちづくりについて、3つの視点から市長の見解を問いました。1点目は高齢者の健康増進と多世代交流への活用で、認知症予防や学生との交流によるフレイル予防を推進すべきと訴えました。2点目は観光・MICE推進の観点。二条城等のユニークベニューを活用した世界大会誘致などを提案。3点目は、府総合計画でもスポーツ施策の中にeスポーツの聖地・京都を目指すと明記されるなど、以前からeスポーツに力を入れている京都府と局横断的に協調し、京都の強みであるゲーム産業の誘致や戦略的活用を進めるよう求める。
続きまして、eスポーツとまちづくりということで質問いたします。まず、eスポーツとは何かということでございますが、eスポーツとは、エレクトロニック・スポーツの略で、簡単に言えばゲームでの対戦をスポーツ競技として捉えたものです。近年、このeスポーツが急成長をし、経済産業省も成長産業として期待をしています。2022年の国内eスポーツ市場は125億円に達し、2025年には210億円を超えると推定されています。また、eスポーツは、性別や年齢、障害の有無による差が少ないことも魅力の一つです。その結果、産業面だけでなく、障害のある方の社会参加や高齢者の方の健康増進、また観光、教育など様々な活用が注目されており、かねてから私は本市でもまちづくりに活用できないものかと考えてまいりました。
特に今回は、3点に絞って質疑をいたします。まず、高齢者の健康増進と世代を超えた交流という観点です。ゲームの操作で手や指を使うことやプレー中のコミュニケーションなどを通して、認知症の予防や健康増進に活用する取組が他の自治体で実施されており、本市でも一部で活用がスタートしました。他都市では実際に認知機能が改善するなど一定の効果が出ています。通信環境さえあれば、新型コロナのような感染症禍でも場所を問わず継続して実施可能であること、またデジタルリテラシー向上に寄与することも期待できます。活用を推進している自治体では、お孫さんとやりたいからという理由でゲームを始めた方もいらっしゃるとお聞きしております。多世代で交流できるよさがゲームにはあります。京都の高校や大学でもeスポーツの部活動が広がっております。他都市では、eスポーツを通して高齢者の方と学生が交流しながら楽しく運動できる事業を実施し、世代間交流、高齢者のフレイル予防に役立てております。本市でもeスポーツを活用した高齢者の健康増進や世代を超えた交流への更なる取組の推進を求めますがいかがでしょうか。
次に、観光の点です。eスポーツツーリズムという言葉が生まれています。eスポーツツーリズムとは、eスポーツ観戦と観光旅行を組み合わせた観光事業のことで、こうした動きは海外では盛んとなっています。昨年はeスポーツの大型世界大会が幾つか日本でも開催されており、eスポーツを主体とした旅行プランや観光地の発展はこれから国内でも増えてくると予想されています。旅行に興味がなかった層に対しても、eスポーツをきっかけに地域の魅力を発信していく大きなチャンスとなります。市長は、MICE推進や文化施設のユニークベニューとしての活用を政策に掲げておられます。eスポーツの世界大会を二条城に誘致するなどの目標を掲げ、文化首都・京都の更なる魅力を国内外に発信し、MICEの経済波及効果をより高めていってはいかがでしょうか。
最後に、府市協調の推進についてです。2021年にサンガスタジアム京セラ内でeスポーツ施設がオープンしました。京都府はeスポーツ関連の4団体と連携協定を締結しており、定期的に大会を開催しています。2023年度からの府総合計画でもスポーツ施策の中にeスポーツの聖地・京都を目指すと明記されるなど、以前からeスポーツに力を入れておられます。ゲームは京都の強みと言えるコンテンツ産業です。府と協調し、京都の強みを最大限に発揮すべきであります。マーケットが拡大し、産業の活性化や先進的な実証事業につながれば関連企業の誘致につながる可能性は十分にあります。産業、福祉、観光、教育などeスポーツの関わる範囲は多岐に渡ることから、局横断的にどこかが中心となり府市協調で取り組むべきと考えます。様々な観点で京都のまちづくりの発展に寄与するであろうeスポーツについて、活用していく分野を戦略的に検討し取組を推進していただきたいと思いますが、市長の御見解をお聞かせください。
■災害対策の強化
・質問のポイント
能登半島地震を踏まえた災害対策の強化について、市長の見解を問いました。1点目は、再構築される耐震・防火改修支援事業「まちの匠・ぷらす」への期待と早期推進。2点目は福祉避難所への直接避難体制の構築に伴う、備蓄把握や訓練拡充といった避難所の体制強化。3点目は、避難所となる学校体育館への空調設備導入に向けた調査費の計上を受け、他都市の事例や補助金を研究した上での計画策定と予算確保の徹底を求めました。
次に、災害対策の強化についてお聞きいたします。まず、この度の能登半島地震によりお亡くなりになられた方々にはお悔やみ申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。また、本市では、カウンターパートである石川県七尾市に対し、発災直後から積極的な支援として職員の方々の派遣を行っておられます。御尽力いただいた職員の方々には心から感謝を申し上げます。
さて、能登半島地震では、耐震性の低い建物の倒壊で死者数が増え続け、大規模火災が発生、長引く避難生活による災害関連死も報告されております。また、高齢者や障害者といった災害時に支援を必要とされる方々の避難生活の難しさも改めて浮き彫りになりました。今回の京都市の予算案では、耐震・防火改修支援事業であるまちの匠・ぷらすが新規で盛り込まれています。以前も耐震・防火改修の支援事業が実施されていましたが、一時休止をされていました。今回支援を充実させ再構築されるとのことで、私も支援の早期再開を要望してまいりましたので、期待をしております。また、福祉避難所に関して、災害発生後すぐに直接避難できる体制が早急に必要であるということは、私も初めての代表質問から一貫して要望をしてまいりましたが、今年4月から直接福祉避難所に避難できる方向で進んでいるということで、各関係者の方々の御尽力に本当に感謝を申し上げたいと思います。そこで、今後の要望として申し上げたいのは、直接避難となった場合、一般の避難所と同じく、本市として福祉避難所の備蓄の把握と支援をしっかりと行っていただきたいということです。また、京都市内では福祉避難所が実際に開設されたことがないということですので、日頃からの訓練が今まで以上に必要となります。そちらの支援拡充も併せてお願いいたします。要配慮者の方々が安心して避難できる避難所の体制強化について市長の御見解をお聞かせください。
最後に、避難所である学校体育館の空調設備の整備について質問いたします。今回の予算案に学校体育館における空調設備の導入に向けた調査費が計上されています。私たち会派も、かねてから代表質問や総括質疑などあらゆる機会をとらまえて要望をしてまいりました。能登半島地震を受けて、自治体によっては全ての公立小学校の体育館へ設置する意向を示されたところもございます。本市としてもしっかりと調査を行い、他の自治体の効率的な維持の方法や補助金の活用なども研究し、今後の計画策定と予算確保に努めていただくことを改めてお願いしたいと思いますが、市長の御所見をお聞かせください。
以上で私の質疑を終わります。御清聴誠にありがとうございました。
