河村りょう(左京区選出)令和5年9月市会 代表質問

1 市職員の人事制度について

・本市市長部局内の自己都合退職者増加に対する受け止めと対策について
・職員の市内居住数について
・職員の休暇制度のあり方について

・質問のポイント
京都市職員の人事制度について、市長に3点質問しました。 1点目は若手職員の自己都合退職者の急増への対策。他都市より高い若手の離職率の受け止めや、当事者への直接の理由聴き取り、行政運営維持のための採用・退職計画の有無を問いました。2点目は子育て世代を中心に職員の約35%が市外に居住している現状。移住・定住施策を進める中での分析や住居手当の見直しを求めました。3点目は生理休暇の名称変更。取得しやすさ向上のため「体調不良休暇」等への変更を提案し、現行制度の検証を迫りました。

左京区選出の河村諒です。先の統一地方選において多くの方に負託をお寄せいただきましたこと、心より感謝申し上げます。元京都市職員として、市民の皆様と行政、そして議会の三方をつなぐ架け橋となれるよう全力を尽くしてまいります。

 さて、私からは、市職員の人事制度について3点、地域コミュニティの在り方に関して2点質問いたします。

 人事制度に関する1点目は、本市市長部局内の自己都合退職者増加に対する受止めと対策についてです。昨今深刻化している人口減少対策について、本市はこれから本腰を入れて移住・定住促進事業を実施する段階にあると認識しております。京都市外にお住まいの方々に対し、新たな居住地の紹介や働き口となる企業の誘致に力を入れていくことと思われますが、他方で、本市施策の根幹を支える本市職員のうち少なくない人数が市外居住を選んでいること、20から30代を中心とした退職者が年々増加していることを市長は認識されておりますでしょうか。本市市長部局の職員数は令和5年4月1日現在で7,007人、人員整理等で総数は2014年から約800人減少しているにもかかわらず、平成28年度から自己都合退職者が年々増加傾向にあり、令和4年度97人で、今より10年前から倍近く増加しております。特に20から30代の若手においては、令和2年度を境に激増しており、令和3年度では、その5年前に比べ約2.3倍の87人が退職しました。若年層の離職は社会的な潮流であるとはいえ、この数値は総務省の地方公務員の退職状況等調査から算出した全政令指定都市における定年を除く普通退職者に占める40歳未満離職者の割合と比較しても、令和3年度で82.8パーセントと全政令市数値70.4パーセントよりも12.4ポイント高く、令和2年度でも14.6ポイント上回り、それ以前の5年を遡っても全政令市分の数値を上回っております。これに加え、令和4年度の入庁者が250人に対し同年度の自己都合退職者が97人であるなど、令和元年度以降は入庁者の人数に対する自己都合退職者の数が3から4割を推移し、このうえ、更に定年退職者が加わるとなると、将来的に職員の年齢や配置に偏りが出て市民生活と現場職員を圧迫してしまうのではないかと危惧をしております。

 退職理由の分析についても課題があります。主だった理由には、元々興味のある分野への転身、子育てや結婚、本市の将来に対する不安などが挙げられておりますが、これらは退職者の上司の予想を聴き取る形で集計されており、直接本人に聞いたわけではありません。実際、何が不満でどんな問題があったのかを又聞きで処理するのは確実性に欠けますし、例年100人未満の退職数であれば、全員に直接人事関係部局が聴き取りをして原因を究明すべきであります。現状でも活発化する転職市場からの人員獲得手段として社会人経験者の採用数を増やすなどの対策が講じられておりますが、総職員数の面でいえば、退職した20代後半以降の人数に対し採用数が十分な補充になっておりませんし、退職理由で最も多いとされる自身の能力やスキルをいかせる現場で働きたいという希望が可能な限りかなう環境にしなければ、どれだけ新卒や経験者を補充しても元の木阿弥であります。自身を希望配属先に売り込む庁内フリーエージェント制度も導入されておりますが、昨年度の成立件数は5件と十分に機能しているとは言いがたい状況にありますし、令和6年度から導入される管理職への昇給制度についても、一般係員への導入を目指していかなければ、年齢要件で管理職になれない若手のモチベーションを保つことができなくなるのではないかと考えます。現行制度が職員のやりがい向上や退職防止に効果的なのかを今一度検証しなければなりませんし、他都市や国の出方を伺うより先に本市独自の制度設計を積極的に進めていく方が、本市で働く魅力の増進につながるのではないでしょうか。いずれにせよ、職員数の減少、特に若年層の流出がこれ以上進めば、今後も適切に市政を運営できるか危うく思えますし、これから働き手が減少していく社会の中で、相応の公費を掛けて採用した職員が数年で辞めていく現状について市長はどうお考えでしょうか。最低限、行政運営を維持できる明確な目標職員数や年齢分布を考えたうえで採用計画や退職者の対応に当たっておられるのかお聞かせください。

 2点目は、職員の市内居住数についてです。令和5年7月現在、市長部局約7,000人のうち約35パーセントとその家族が市外に居住、特に30から40代といった子育て世代の4割が市外居住をしていることが分かりました。20代まで76パーセントが市内に居住しているのに対し、30代の市内居住率は60パーセントまで下落しており、ほかでもなく本市職員が、本市に住む魅力を感じていないと言わざるを得ない数値です。もちろん住む場所は個人の自由であり、誰にも侵害されるものではありません。しかし、全庁を挙げて本市への移住・定住を推進するとしながら、この数値では余りに説得力に欠けるのではないでしょうか。市長の肝煎りとされている人口減少対策推進タスクフォースには、人事関連部署が加入していないそうですし、これでは市長御自身が職員の居住地について関心がないととられても仕方がありません。他都市の方々や各企業に対し市内居住を呼び掛けるのであれば、まずは手前の組織の現状について正しく分析し対応しなければ、人口減対策全般に説得力が生まれません。市役所は市内でも最大級の働き口であることを認識し、対外的な移住・定住促進事業と並行して、市の政策や実態を知る職員自身に直接事情を聞く機会を設けたり、関連事業への参加を促したりして市内居住への可能性を最大限に増やす必要があるのではないでしょうか。加えて、住居手当についても、現行より移住・定住の一助になる金額設定や制度に発展できないか、聴き取った意見を参考に再度議論していくべきだと思いますがいかがお考えでしょうか。

 3点目は、職員の休暇制度の在り方についてです。特別休暇の一つである生理休暇ですが、令和4年度の利用者は対象者2,930人に対し195人でした。個人差もあるゆえ単純な取得日数の増加を求めるわけではありませんが、その名称については、上司や同僚に個人的な身体状況を知られたくないなどという理由で利用できないとの声を複数頂いております。実際は必要であるにもかかわらず、そうした事情から取得が困難であった事例が一定存在することは容易に想像でき、体調不良休暇など名称を変えることで本当に必要な方が取得しやすいように工夫する必要があると考えますが、市長はいかがお感じでしょうか。

 ここまで、人事制度一般について広く触れる質問になりましたが、本市の業務を遂行するのはほかならぬ職員であり、彼らが本市にとどまれない環境をよしとすることは、市民の皆様からお預かりした税金を浪費するも同義であります。現行の人事制度全般は市民と懸命に働く職員に報いる内容になっているでしょうか、誠意ある答弁を求めます。

2 地域コミュニティと伝統・地域行事について

・地域コミュニティ活性化条例と関連施策の是非について
・伝統・地域行事の保存と継承について

次に、地域コミュニティと伝統・地域行事についてお聞きします。1点目は、地域コミュニティ活性化条例と関連施策の是非についてです。地域コミュニティ活性化条例が制定されてから11年が経過した現在、昨年の自治会加入世帯数減少報告もあり、自治会応援サイトの導入や不動産業界と協力した啓発活動などが実施されておりますが、残念ながら自治会への加入はほぼ進んでおりません。地域の主体性が第一という考えも理解できますが、御高齢の方に地域の役を掛け持ちしてもらうことで運営ができている現状と、20年後には現行制度を維持できないことをきれいごとなく認識すべきであります。総務省でもこうした状況を危惧し、条例で定めれば、公務員の地域貢献活動休暇を創設できるようにすると年度内に通知を出すそうです。職員のボランティア休暇でも一見代替えできそうですが、当該休暇は条件が非常に限定的で、昨年度では利用者が市長部局で約7,000人中、僅か1名。地域活動はボランティアではないとして利用が認められなかったとの声も元職員さんから頂いております。日本有数の自治会組織を抱える地方自治体であり、自ら定めた地域コミュニティ活性化推進条例や推進している真のワーク・ライフ・バランス、職員のための市民参加推進の手引などに、職員は地域活動に積極参加すべしという旨を記載している京都市なのですから、他都市に先駆け地域活動専用の休暇を創設し、職員が率先して活動に参加し、地域を支えられる環境を整えるべきではないでしょうか。いざ自治会が機能しなくなってから対応を考えるのではなく、今のうちから現状を踏まえ、最低限地域活動を維持できるよう、新しい地域ビジョンや制度を設計していく必要があると考えますが、今後の地域コミュニティと本市の関わりについてどのようにお考えかお聞かせください。

 2点目は、伝統・地域行事の保存と継承についてです。私が選出いただいた左京区の伝統ある鞍馬の火祭でも、年々松明の数が減っており、10年前は40本近くあった大松明が昨年は20本まで減ってしまったそうです。修学院第二学区では、約20年前に地域の結束を守ろうと始めたふれあい大根炊きも実行役の方が少なくなり、もう10年後にはないかもと非常に寂しいお声を頂きました。無形文化遺産については、文化財保護課を中心に記録保存に御尽力をいただいておりますが、担い手の募集や仲介には踏み込めておらず、細かな生活文化や行事は記録すら間に合っておりません。若者と伝統を知る世代の両方が減っている本市は、今まさにこうした伝統・地域行事の保存に重きを置くべき時期に来ており、先ほど述べたような職員による地域行事振興や、今夏報道でも取り上げられた祇園祭のボランティア奉仕者などをモデルにした担い手の仲介施策、最低限でも、後の世代が生活文化や行事を再興できるよう、リスト化と記録だけは早急に人員と時間を注ぎ実行すべきではないかと考えますがいかがでございましょうか。

 質問は以上でございます。御清聴ありがとうございました。