地域政党京都党京都市会議員団は、京都市長に対し以下の内容でプレスリリースを行いました。
京都市長
門川 大作様
平成二十三年八月十日
地域政党京都党市会議員団
団長 村山 祥栄
このたびの五山送り火騒動に際し、下記の通り申し入れを行います。
京都市は、五山の送り火の事務局を庁内に設け、緊密な関係にあるにもかかわらず、連日の報道で門川市長は、市に何の権限もなく、まるで大文字保存会こそが全ての元凶であり、京都市には何の落ち度もないような言動を繰り返し行われております。しかしながら、京都市文化財保護条例3条に市の責務として「活用が適切に行われるために必要な措置を講じなければならない」とされており、また27条では「市指定無形民俗文化財に対し市は必要な助言、勧告する」権限を有しております。これまでの言動はこれらの条例にある市の責務を放棄したと受け取られかねないものであります。
また、事実はこれまでの市長の発言とは異なるということが大文字保存会および文化財保護課への聞き取りで確認されましたので、事実関係を時系列で申し述べます。
- 当初、放射性物質を懸念する市民からの苦情が文化財保護課に寄せられた際、苦情を保存会で受けるよう要請(保存会側は事務局対応を要請)。
- その後、京都市は大文字の薪と陸前高田の薪、両方の放射能検査を行うよう事細かに保存会に指示
- さらにサンプル検査ではなく、全ての薪を検査するよう指示、保存会側は全ての薪を削り、検査(これまでの検査は全て京都市主導で実施)
- 安全性の確認後、極めて難しい判断を迫られた保存会に対し、一切を保存会の責任とした上で、市としての判断は見送った。
- 保存会が中止の決断を当局に伝えた際、当局は「そうですか」と要請どころか慰留もなく、了承された。
- その後、騒動拡大後、これまで保存会の自主性に任せるといいながら一転、8日には陸前高田に返却した薪の一部を京都市へ持って帰ってくるよう保存会に依頼、保存会は話がまとまったということで拒否、今度は先方の担当である鈴木氏に市長自ら電話で要請、拒否される。
このように京都市が本件に密接に関与したことは事実であり、市長が知らなかったという発言そのものが、復興支援や被災地との観光連携を進める上で重大な過失である。また、京都市が決断局面になって積極的に介入しなかったことが、中止という決断に至る大きなきっかけとなった。それを踏まえた上で、京都市長として良識ある見解を示すべきであり、下記の通り申し入れる。
- 京都市は、被災地及び死者の魂に精神的苦痛を強い、さらには復興支援の著しい妨げとなる甚大なる風評被害を招いたことに対し、責任を認め、京都市民を代表して謝罪の上、市長として見解を発表すること。
- 本件の事実関係を究明し、風評被害ではなく、人為的被害であることを明らかにすること。
- これらを踏まえ、復興支援のあり方を再確認し、具体策を早急に取りまとめ、積極的に取り組まれたい。
以上