対談:『千葉市長 熊谷俊人 X 村山祥栄』
対談:『千葉市長 熊谷俊人 X 村山祥栄』
地域政党が面白い
- 村山祥栄
- このたびはお時間ありがとうございます。いや、一度お会いしたかったのです。
- 熊谷俊人
- こちらこそ、京都党には大変注目しておりましたので、お会いできて嬉しいです。
統一地方選挙のとき、ずっとネットで京都の開票速報追いかけてたんですよ。皆さんのホームページも見ていましたから。神戸と京都。このふたつは注目していました。
- 村山祥栄
- 神戸も地域政党がありますね。
- 熊谷俊人
- やっぱり、これからの時代、地域政党が絶対大切です。地方の時代なんですから、そういう組織がないと。なかなか定着するのが難しいでしょうけど、絶対に火を消さないで下さいね。
- 村山祥栄
- それが、なかなかご理解頂けず苦しんでおりますが。人や金はもちろん、圧倒的に発信力が著しく不足しておりますので。なにせマスが小さいですから。
- 熊谷俊人
- 今や地方自治は国政政党の代理戦争になってしまってますからね。だいたいマスコミからしてそうでしょう。無所属の発言なんかは最後にちょこっとだけでしょ。ずっと新聞なんかには無所属の扱いを最後するのをやめろと言っているです。もっと同じように扱うべきだと。よく若い市長だから市長を辞めたらどうするのと聞かれるんですが、市長退職したらやっぱり議員に戻りたい、議員って魅力的な仕事だなと今でも思っていますが、最後のご奉公は、議員に戻ったら是非そういう組織を引っ張ってみたいですね。本当ですよ。
- 村山祥栄
- 熊谷市長ほどのリーダーシップをお持ちの市長がやられたらそりゃいいですよ。やっぱり求心力が何より大切ですからね。もう、是非やって頂きたいですね。
- 熊谷俊人
- 市長が地域政党とか作ったら現場に軋轢が出来て職員が可哀想でしょ。そういう意味で、今は市長なので、そういうことはできませんが、いずれはやりたいですね。
30歳で最年少市長誕生
- 村山祥栄
- 実は、私も29歳で市長選挙に出て落選しました。その半年後、30歳で初当選した政令指定都市市長がいた。それが熊谷市長だったのです。だから、すごい人が出てきたなと思ってました。だからどんな方なのかと。
- 熊谷俊人
- 私の場合は奇跡ですね。前職の市長が汚職になった。そこで刷新が求められる中で、一期目の市議だった私に白羽の矢が立って、会派(当時民主党)の皆さんから何度も立候補の要請をされましたが、固辞していたのですが、最後は説得され、当選させて頂いた。
- 村山祥栄
- それは市長のご人徳ですよ。私が出た時なんて、村山だけはけしからんの嵐でしたから。(笑)しかし、自民・公明は別の候補を擁立された。当選後、議会運営大変だったのではないですか?
- 熊谷俊人
- そうでもないですよ。議会も職員も一年目はごたごたしてましたが、一年やると、一定のご理解を頂ける。今はしっかりご理解頂きご協力頂いてますね。
話題沸騰、千葉レポとは!?
- 村山祥栄
- さて、市長肝いりの政策について伺います。昨年スタートした「千葉レポ」。これはすごい、画期的ですね。市民が地域の問題を見つけてスマホで写真を撮って通報。役所は即座にそれに対応する。出来た、出来なかったもネット上で確認できる。理由も公表される。分かりやすいし、市民が街を自主的にパトロールしてくれて、しかも役所はお願いすればちゃんとやってくれると。これは画期的ですよね。
- 熊谷俊人
- 今、自治会加入率7割。どんどん下がっている。特に若い人は入らない。それを入って下さいと言っても入らないですね。やっぱり。それをカバーできるのがITだと思うんです。
- 村山祥栄
- その発想がすごい。普通はどうしたら自治会に加入して頂けるか、地域コミュニティーの再生だと、こうなるんですが、確かに若者が地域の課題に目を向けるには、この手法は大いに役に立ちますよね。
- 熊谷俊人
- 市民の皆さんが街の問題点を見つけてくれますから、パトロールの必要もなくなった。しかも、これまでの電話を含めた相談なんかもすべて一元管理出来て、大幅なコスト削減にもつながっています。
- 村山祥栄
- よくそんなシステムが作れましたね。
- 熊谷俊人
- パソコンのソフトってIT技術者が作るでしょ。それがだめ。彼らは現場わからないから。うちの場合、現場が中心になって作ったからいいシステムが出来たんですよね。
- 村山祥栄
- でも、土木の現場事務所などは仕事が増えると抵抗したのでは?
- 熊谷俊人
- それが、実はこの案件は建設の現場から上がってきたんです。彼らの業務効率化を進める上で、彼らからやりたいと。だからスムーズにできた。
- 村山祥栄
- すごいですね、それは。しかし、このシステムは是非京都市でもやりたい。全国で真似できる素晴らしい仕組みですね。
- 熊谷俊人
- そうですよ。うちのシステム、どんどん使ってください。折角いいもの作ったのにみんなで使わないともったいないですから。うちはお金いりませんから。
- 村山祥栄
- それは太っ腹ですね。
- 熊谷俊人
- でしょ。これまでたくさん視察に来られて、やりたいと言って市長さんたちお帰りになるんです。どうぞうちの千葉レポをそのまま○○レポにして使ってくださいというのですが、わざわざ金かけて新しいのを作りたいというんです。無駄ですよね。オリジナリティー出したいのはよくわかりますが、こういうものは同じプラットホームでやるべきです。うちは県に乗っかってやれるものはどんどん乗っかる。それでコスト削減出来たら褒めますからね。
- 村山祥栄
- わかりますね。京都でも思い当たる節があります。しかし、これまでの踏襲ではなく、どんどんと新しい感性で仕事しないとだめですよね。
新たな感性で、新しい仕事を。
- 熊谷俊人
- そうですね。ゲーミフィケーション(ゲーム感覚)で仕事を進めることが大切。朝、スマホを起動して、その日のタスクを確認する。それを毎日こなしてポイントを貯めれるみたいな。役所にもそういう感覚がこれからは必要。
- 村山祥栄
- すごいですね。ゲーミフィケーション!この発想は企業でもこれからだというのに。やっぱり若い感性で街を引っ張っていくというのは、こういう感覚的なところに出るんですね。
- 熊谷俊人
- うちはグリー(携帯ゲーム大手企業)を呼んで勉強会してますから。
- 村山祥栄
- いやあ、本当に面白い。是非これからも千葉市民の為に、また日本を牽引する政策をどんどん千葉から発信してください。
- 熊谷俊人
- うちはまだ人口も増えます。首都圏ボーナスはありますが、それに甘えずしっかりやっていきたいと思います。
- 村山祥栄
- ありがとうございました。