《議員定数削減の積算根拠とは?》
《前提条件》
- 原則的に合理的根拠といえる基準値はない。
- 京都党が実施した市民アンケートでは,市民の要望は減らすべきという声が多数である。(アンケート参照)
- 議員定数削減は、行革の観点、市民ニーズの観点から全国的な潮流となっており、近年では多くの自治体で減員条例が可決している。
- 地方自治は憲法的見地から見て、直接民主制をベースに構成されていることから、その定数は、極端に減員すべきでない。また急激な変化は住民の民意反映に支障をきたす可能性と混乱を招きかねないことから避けるべきである。
- 委員会中心主義の議会運営を考えた場合、一委員会の最低人数は6~7人(全国町村議長会政策審議会・平成12年)、6~10人程度(山梨学院大学江藤俊昭教授試算)が必要であり、京都市の場合、政令市であること(その人口規模)から議長を含め10人×5委員会、50人を切るような削減は行うべきでない。
- 市民アンケートによれば、現行の選挙区では、ほぼ全ての選挙区で議員の数は不足している認識はない。
これらの前提を考慮し、二元代表制の制度範囲内で、市民の声に耳を傾けねばならない議会としては、議会のスリム化を図り,機動的な議会運営の実現のため,以下の適正数による減員を行うべきである。
《適正数》
9名削減 60名(北・上・中・下・南・右京・伏見それぞれ1名減員・左京2名減員)
- 各選挙区ごとの議員一人当たりの有権者数は、西京(20214人)・伏見(18638人)・山科(18083人)の順で高く、上京(12817人)、左京(14165人)、南区(15364人)の順で低い。しかし、議員定数に関するアンケート(調査主体・京都党)を見ると、議員の少ない西京、伏見、山科エリアでも議員の数が少ないという声が他地区同様少数である。つまり、これらの地区に定数に合わせることは、民意の反映に差支えが出ないと考えられる。ちなみに、これらの減員を実施した場合でも、議員の少ない西京区を上回らない。
また、市民の選挙における公平性を担保する一票の格差を是正することもできることから、そこに定員数をあわせることとする。
結果、一票の格差は、1.57倍から1.26倍へ低下し、格差是正は大幅に解消される。また、9名削減が最も格差是正される数字である。 - 同規模の政令指定都市との比較(札幌市68人(人口188万人)、神戸市69人(152万人)福岡市62人(140万人)、川崎市63人(132万人))から、他都市並みにした場合、上記の定数が近似値であり、この観点からも適正と言える。
- 選挙区によっては欠員等で既に減員数で議会運営が行われていること、またその選挙区において民意の反映に著しい支障をきたしたという議論は昨今の市会を見る限り皆無である。加えて前回の3議席削減後もこのような議論が見られないことを鑑みると、9名程度の減員は、議員の努力によりカバーできるものと判断する。
- 9議席削減によって、影響を受ける民意は実質全体の2%に過ぎない。(後述参照)
よって60名を妥当と判断する。
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